『嫌われる勇気』と人間関係とアドラー心理学
目にしていましたが、自分は勇気なくても嫌わることあるから
こんな本絶対読むまいと思っていました。
それが、あんまり長期間、本屋に積まれているもんで
どうしても気になって読んでしまったら。
哲人と青年の激しい問答で、アドラー心理学の真髄を理解させる
という本でした。
こんなに難しげな本が、ずっとベストセラーということに
とても驚きました。
これはこの本の内容が、今の時代にとても強いニーズがあるからなのでしょう。
アドラー心理学では、人間の悩みは、
全て、対人関係の悩みであると言っています。
これも、今の時代に特に心に響く言葉なのでしょう。
投資家でも、お金は儲かっても、孤独だとどこか楽しくなく、
逆に言えば人間は、貧乏だろうが、良好な人間関係があれば
それで幸せなのでしょう。
それなのに、なぜか、人はお金の心配が、
楽しい人間関係を作れないことの心配を上回ることが多いです。
二つ前の記事で紹介した、茶谷さんが羽織袴姿で自転車で箱根も超える
旅をした動画ですが、
茶谷さんはこの活動で色々な人の共感を呼んでいたことがわかります。
これはもう7年前のことですが、このとき茶谷さん52歳。
この時点で、もう人間関係で楽しみを見出してそれを優先してたのかもしれません。
今の自分も52歳、これは会うしかないなと思ったのでした。
追記
アドラー心理学は、この「嫌われる勇気」がきっかけで
ブームになっているようですが、
理解にも実践にもとても注意を要するように私には思えました。
フロイトのようにトラウマに今の心の病の原因を求める場合は
それが仮に過ちであっても、病の原因を自分の外に求めることができます。
アドラー心理学は、それが例え正しかったとしても、
そのような過去の出来事からの因果関係を認めてないので
現在、心が弱っている人の逃げ場が無くなってしまいかねません。
それは心が弱っている人には受け入れがたいか、耐え難いことのはずです。
それに端的にいって、これだけ難しそうで、エンターテインメントからは
かけ離れた本がこれだけ読まれているのは、悩んでいて、新しい解決方法を
求めている人が多いからでしょうから、弱った心の人がこれ読むことも
多いでしょうから、効果は疑問にも思えました。
ただし、本自体は、志のとても高い立派な本でした。
ソクラテスは本を残さず、それをプラトンがわかりやすく本で紹介したことで
理解されていますが、
この嫌われる勇気の編集者はその役割をアドラーに対して果たそうと
狙ってやったということですから、立派なことで、それがこれだけ読まれているのは
難しいことを、ごまかさずにきちんと説明してれる本は、
時代のニーズとマッチしていれば、今も高い評価を受けるということなのでしょうね。